ある方から頂いた「池田大作とデューイ」とのタイトルが付された原稿の続きを、以下ご紹介致します。
記
分析を続けよう。
「民衆主役の世紀を目指して」
デューイの教育思想と中国社会
池田 民主主義は、幾多の先人の勇気ある行動によって勝ち取られてきた人類の宝です。そのなかにあって、デューイ博士が果たされた貢献には、実に大きなものがあります。
ここからは「デューイ博士と民主主義の思想をめぐって語り合っていきたいと思います。
デューイ博士が日本と中国を訪問したのは、一九一九年のことでした。この博士の旅は、民主主義への信念を、さらに強めゆく契機ともなりました。
当時は一千万人もの戦死者を出した第一次世界大戦への反省から、パリでは講和会議(一月~六月)が開催され、国際社会が平和秩序の構築を模索していたときです。
ところが残念なことに、こうした世界の潮流に逆行するように、日本は軍国主義への傾斜を次第に強めていきます。デューイ博士が訪日の際、全体主義的な思想教育の実態に驚き、強い危惧を抱いたことは、これまでも語りあったとおりです。
一方、当時、日本が利権拡大を狙い、着々と地歩を固めていた中国で、デューイ博士は学生たちを中心とする抗日運動の高まりを目の当たりにしました。その後、一九三七年(昭和十二年)七月の盧溝橋事件を経て、日中は戦争へと突入していきます。
日本と中国への訪問は、博士が自ら希望されたそうですが、これは東洋思想への関心なども大きかったのでしょうか。
ガリソン 中略。
当時の日本は、軍国主義的な色がきわめて濃く、デューイの民主主義に関する思想はほとんど何のインパクトも与えませんでした。
池田 おっしゃるとおり、まったく対照的でした。博士夫妻が、中国訪問の最初の地・上海に到着したのは、一九一九年の四月三十日、日本の植民地主義的な強圧に対し、中国の民衆が抗議の声を上げて立ち上がったのは、五・四運動直前のことでした。
上海では、コロンビア大学で博士の教え子であった胡適や陶行知らが出迎えました。五月の三日と四日には、江蘇省教育会で「平民主義之教育」と題し、講演を行っています。
まさにデューイ博士は、当時の中国が必要としていた教育思想を抱えて、民衆の中に飛び込んだことになります(321-323頁,pp.193-194.)。
この書物で池田大作氏は、デューイが中国へ高い関心を持っていたことや抗日運動のこと、帝国主義の悪弊などに話題を振りまき、ヒックマンやガリソンがそれについて応答している。ここに引用したように、池田大作氏自身も、歴史に詳しい(ゴーストライター?)。この辺りのデューイの中国への関心は、日本語で読める適当な概説書がないので、この書物の良い点の一つであるともいえる。しかしながら、池田大作氏が多くの名誉博士号を中国の大学から得ている事実を勘案すると、事態はそんなに単純ではない[26]。
[26]本稿の記述主旨からすると、若干脱線するが、中国ということで、池田大作、顧明遠(中国教育学会会長)『平和の架け橋―人間教育を語る』(東洋哲学研究所、2012年10月)にも触れておきたい。かつて私が自分のFacebookで触れた文章を若干、変えながらここで、振り返ってみたい。
「今、敬愛してやまない顧明遠先生との7度に及んだ往復書簡による愉(たの)しい対話を振り返りながら、私は大いなる喜びと充実を覚えています。」(『平和の架け橋』417頁)
あとがきで振り返る池田大作氏の執筆日時は、2012年7月3日である。ご本人かゴーストライターかどちらが書いたか知らない。しかし、この本、400頁以上あり、とても7度の往復書簡でこなせる内容ではない。相手方の顧明遠先生は、70にしてコンピュータをはじめ、ツイッターなども利用されるとお書きになっているので、多分、誠実に対応されたのだろう。池田大作氏と直接面談したとはお書きになっていない(まえがき 2頁)。だが池田大作氏の方はどうだろう? 最初に引用したあとがきの7度という数字が本当なら、この本の大部分はゴーストライターの手によるものと言えるのではないだろうか?
なお東洋哲学研究所のホームページ[26]には社団法人「日本図書協会」より、同書が同協会より「選定図書」に決定したという情報が知らされている(2012年11月20日付)。「選定図書」とは「全国の公共図書館に備える図書の選定」の参考とされるものである(このような「選定図書」のような基準が何の信用にも値しないのは以上のことから、明白だ)。
いずれにせよ、東洋哲学研究所がどう抗弁しようと、この顧明遠、池田大作対談は、7度の往復書簡などでこなせる量と内容ではないから、「代作」が明白だ。ただ問題はそういうレベルにとどまらず、池田大作氏=創価学会がこと、中国問題になると、目の色を変えることである。そして顧明遠、池田大作対談でも、池田大作氏は、デューイの五・四運動についての見解について言及しているのである。
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大学と各種の専門学校で、法律学、哲学、社会学、家族社会学、家族福祉論、初等社会、公民授業研究、論理的思考などの科目を担当しています。
KJ法、マインド・マップ、ロールプレイングなどの技法を取り入れ、映画なども教材として活用しながら、学生と教員が相互に学び合うという参画型の授業を実践しています。現在の研究テーマの中心は、法教育です。
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