ご存知の方もおられるとは存じますが、日本社会科教育学会で「憲法教育に関する講演会」http://socialstudies.jp/ja/research_meeting.html
が開催されます。
以下、この講演会の内容をご紹介致します。私は、ズームでの参加を予約しました。
記
日時: 2024年3月20日(水・祝)13時50分~16時
講演テーマ:社会・憲法の変化と憲法教育の課題
講演者:宍戸常寿氏
(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
参加費は無料で、ライブ配信もなされるようです。参加の申し込みの締め切りは、2024年3月18日23-時59分までです。日本社会科教育学会のホームページhttp://socialstudies.jp/ja/research_meeting.html
をご参照ください。
以上
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なお、義捐金の収支に関しては、裁判がすべて終了した時点で明らかにさせて頂きます。
シナリオ「三つ子の魂百まで-三歳児から学ぼう日本国憲法を-」のつづきをご紹介致します。このシナリオは、2021年度のさぬき映画祭シナリオコンクールに応募した作品です。
21 香川大学・5号館・社会科研究室
希望、早苗、賢治、洋平が座っている。暖簾を開きながら、島津と二人の子どもを連れた女性村上純子(35)が入って来る。
洋平「どうしたんですか?教授」
島津は、学生達にアンケート用紙を渡しながら、ニッコリと笑う。
島津「皆、良く頑張ったね。アンケート用紙に目を通しけど、とても楽しかったので、来年も参加したいと記されたものが数枚あったよ」
賢治「来年は、次の二年生が担当するのでしょう」
島津「そうだよ。忙しいだろうけれど、後輩達に協力して欲しいね。ところで、君達に頼みたいことがあるからと、村上さんという方が会場で声を掛けて来られたんだ」
村上「(ニッコリしながら)子ども達が、とても楽しかったと。直接、皆さんにお礼が言いたいと」
子供達が目を輝かせながら、「ありがとう」と述べる。
村上「皆さんにお願いしたいことがあります。」
早苗「どんなことですか?私達でお役に立てれば」
村上「子供達と一緒に学び合える日本国憲法のガイド・ブックを作って頂けないでしょうか?親子で読むことができる本があれば」
希望「ガイド・ブックですか」
村上「そうです。小さな子ども達と楽しみながら読むことができる本があれば。憲法に関連する施設や映画なども一冊にまとめたガイド・ブックのような物であれば」
島津「旅行に行く時には、観光ガイドの本を見ながら考えるだろう。家族でワイワイ言いながら、憲法のことを話し合える手引きのような本があれば便利だよ。」
賢治「希望さん、任せるよ。俺は忙しいからね」
早苗「希望ちゃんがシナリオを執筆できたのは、賢治君が発見した絵本のおかげじゃない」
洋平「賢治さんと俺は、それぞれ黒マントと憲法君の段ボール箱姿で、表紙を飾りましょう」
島津「村上さんのお願いは素晴らしいよ。私の書いた憲法大学習運動に関する論文を下敷きにすればいいよ。私も一緒に取り組むよ」
早苗「希望ちゃん、一緒にやろうよ」
希望「分かりました。ガイド・ブック作りに挑戦します。皆で力を合わせてね」
子ども達が歓声を上げる。
完
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19 香川大学・5号館・202教室
「ようこそ、社会科研究室へ」との模造紙が、教室の上壁に貼られている。壁に向かってホワイトボードが置かれ、その前にパイプ椅子が横8列、縦5列に並べられ、幼い子が5名、低学年生が8名、小学校高学年生が10名、高校生が5名、保護者と思われる男性が3名、女性が7名着席。劇は無事に終了し、早苗が微笑みながら登場する。
早苗「(マイクを握りながら)今から、劇のメンバーを紹介します。私はアナウンサー役をした社会科研究室二年の真鍋早苗です。高校の先生を目指しています」
着席している人々が拍手する。
早苗「つぎに、黒マントのお兄さんを紹介します」
賢治が、両手を高々と拡げながら登場する。
賢治「(高笑いしながら)俺が国家権力の役をした黒田賢治です。将来は、フリーター志望のチャランポラン人間です」
「憲法君」と書かれた段ボール箱を身にまとった洋平が、ニコニコしながら登場する。
洋平「憲法ビームは凄かったでしょう」
20 香川大学・5号館・202教室・参加者席
黒マント姿の賢治と、段ボール箱を身にまとった洋平が、子供達にキャンディーの入った小袋を配っている。
早苗「お待たせしました。最後に、劇のシナリオ作成、演出、監督を一人で担当した学生を紹介します。皆さんにクイズです。男の学生でしょうか?女の学生でしょうか?」
前列に座っている幼稚園児らしい男の子が「男に決まっているよ」と叫ぶ。
早苗「残念でした。女の子です。大塚さんです。社会科研究室のスーパー・ヒロインです」
希望が拍手をしながら現れる。
希望「今日はありがとうございました。社会科研究室二年の大塚希望です。中学校の社会科の先生になることを目指しています」
参加者が全員立ち上がって拍手する。「楽しかったよ。お姉ちゃん」と小学校低学年生が声を掛ける。
希望「(ニコニコしながら)ありがとう。ありがとうございます。会場にいる全ての人に感謝します」
つづく
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三つ子の魂百まで-三歳児から学ぼう日本国憲法を-
16 教育学部・5号館・社会科研究室の部屋
賢治がニコニコしながら座っている。劇を担当する学生達が入室して来る。
早苗「驚いたわ。賢治君が、私達よりも早く来ているなんて」
洋平「どうしたんですか?」
賢治「県立図書館に、こんな絵本があったよ」
希望「この絵本(パラパラしながら)、市立図書館で見付けた子ども向けの本よりも面白そうね」
賢治「(笑いながら)この絵本をネタに、希望さん、脚本書いてよ。バイトで忙しい中、見付けたんだから、後は頼むよ」
希望「ありがとう。頑張るから」
17 教育学部・5号館・社会科研究室の部屋
壁には劇の配役表が貼られ、黒板には登場人物の名前と関係図が書かれている。テーブルの上にはセリフが記された紙が置かれている。部屋に入った学生達は、紙が置かれているテーブルの席に座る。
希望「(ニコニコしながら)劇の原案ができたわ」
賢治「(壁を見上げながら)何、これ」
希望「劇の配役表よ。脚本が完成したの。賢治君のおかげよ」
賢治「俺のおかげって?」
希望「賢治君が、絵本を見つけてくれたでしょう。あの絵本がヒントになったの」
洋平「どんな劇?」
希望「セリフ表を見て。私が、これから一人で読み上げるから」
希望が立ち上がる。声の調子を変えながら読み上げる。
洋平「面白いね。憲法ビームを発射するとは。幼稚園児でも楽しめる設定だね」
賢治「希望さんが一人芝居をやったら。俺、バイトで忙しいから助かるけど」
早苗「(賢治を睨みつけながら)何、言っているの。希望ちゃんが頑張ったのに」
賢治「(ニヤニヤしながら)冗談だよ、冗談。俺とても忙しいけどさ、役はちゃんとやるからさ」
18 8号館・811教室
黒板に、絵本とクイズの代表者が模造紙を張り出す。
島津「なるほどね。紙芝居は、アンパンマンを主人公にするのか。子ども達も親しみやすいね。クイズ班は、世界の面白い法律を扱うのか。劇は?」
希望「アナウンサー役をする早苗さんが、粗筋を説明します」
早苗「劇の主人公は憲法君です。憲法君が突然、行方不明になります。すると、国家権力と名前が書かれた黒マントを着た男が現れ、憲法君がいないから俺達の天下だと高笑いします。そして、憲法君を探している若者達を、警察官達が、俺たちの命令に従わないからと捕まえようとします。そこに、憲法君が現れます。憲法君が、黒マントの男に憲法ビームを発射すると、黒マントの男と警察官達が逃げ出します」
島津「なるほど、劇のグループは憲法がなくなったらとの設定ですか。憲法君と国家権力の黒マント役のやり取りは、子ども達が喜びそうだね」
つづく
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13 香川大学・法学部・又信戦歿学友慰霊之碑
島津と学生達が碑文の前に立っている。
島津「学徒出陣のことを知っていますか?」
早苗「知りませんでした」
希望「テレビで学徒出陣の映像を観た記憶はありますが、大学の構内に慰霊碑があるとは」
賢治「慰霊碑を前にすると、何となく実感が沸きますね」
希望「確かに」
島津「日本国憲法は、第二次世界大戦で亡くなった方々の墓標のようなものです」
早苗「そうですね。多くの方々の犠牲があったのですね」
島津「今、ここに居るのは、宇宙最大の奇跡です」
洋平「え?」
島津「138億年前に、今の宇宙が誕生して以来、何か一つでも欠けていたら、私達は出会うことはなかったでしょう」
希望「確かに、そうですが」
島津「憲法を学ぶと、宇宙最大の奇跡である人間の生命を大切にして生きて行こうと考えるようにをなるのではないでしょうか。憲法を学ぶと、人間が人間らしく生きることができる世界の構築を目指して行動しようと考えるようになるのではないでしょうか?」
14 教育学部・5号館・社会科研究室の部屋
希望がパソコンに向かっている。
劇を担当する学生たちが、次々に入ってくる。
希望「提案があるけれど」
早苗「どんなこと?」
希望「図書館や書店に行って、憲法の本を探してみない。憲法に関連する施設見学は無理だから」
洋平「教授が、香川大学教育学部の近くに高松市立図書館もあるから、子ども向けの本を調べられると言われていたね」
希望「本を手に取ってみたら、何かアイデアが生まれるかもしれないと思うの」
賢治「希望ちゃん、やる気になったんだ」
希望「そうよ。教授の宇宙最大の奇跡という言葉に触発されたの」
賢治「熱伝導の法則みたいだね。県立図書館だったらバイト先の近くだ。俺が行ってみるよ。どんなことを調べてみようか」
希望「ありがとう。日本国憲法に関する本で、読みやすい本を探してみて」
早苗「希望さん、二人で大学の図書館に行ってみよう」
15 香川大学図書館・2階
希望と早苗が憲法コーナー前に立っている。
早苗「憲法の本は沢山あるね。図書館で憲法の本を見たのは初めて」
希望「(手にした本をパラパラ捲りながら)全部、法学部の学生向けね。難しそうなものばっかり」
早苗「高松市立図書館に行こう。子ども向けの本を調べてみよう」
希望「小さな子どもを対象にした憲法の本はあるかな・・・」
つづく
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大学と各種の専門学校で、法律学、哲学、社会学、家族社会学、家族福祉論、初等社会、公民授業研究、論理的思考などの科目を担当しています。
KJ法、マインド・マップ、ロールプレイングなどの技法を取り入れ、映画なども教材として活用しながら、学生と教員が相互に学び合うという参画型の授業を実践しています。現在の研究テーマの中心は、法教育です。
私は命ある限り、人間を不幸にする悪と闘い抜く覚悟です。111歳までは、仕事をしようと決意しています。