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「永遠の命と思って夢を持ち、今日限りの命と思って生きるんだ。」

ある方から頂いた「池田大作とデューイ」とのタイトルが付された原稿の続きを、以下ご紹介致します。

 

        記

 

池田「民主主義は対話から始まる」一

 

 ジョン・デューイ博士は、九十歳の誕生日のスピーチで、こう語りました。

 この言葉には、アメリカの最高峰の哲学者であり、教育者であるデューイ博士の思想が結晶しています。対話こそ、民主主義の神髄です。

  心開かれた「対話」がなければ、人間の魂は委縮し、成長は止まる。自由な「精神の交流」がなければ、社会は硬直化し、行き詰ってしまいます。

  人間と社会の伸びやかな向上と発展の道をデューイ博士は明快に示されました。

 このたび、その思想と哲学を誰よりも深く継承し、現代社会に展開しておられるジム・ガリソン博士(デューイ協会元会長)、そしてラリー・ヒックマン博士(同協会元会長)と新たな「対話」を開始することができ、私は心から嬉しく、光栄に思っています。       

ガリソン 私の方こそ光栄です。

 長野での初めての出会い(2008年8月)の後で皆さんにも申し上げましたが、何よりも印象に残ったのは、池田会長の目の輝きです。

 あの日まさに、恩師の戸田城聖第二代会長と初めて出会われた十九歳の青年の目の輝きのままに、私たちの質問に答えてくださいました。その時の喜びもさることながら、この鼎談(三人の語らい)でも活発な対話を楽しみにしております。

池田 恐縮です。あの折、ガリソン博士は、「対話のなかにこそ、本当の価値創造がある」と語っておられました。まったく同感です。

 対話をはじめましょう! 若々しい生命の息吹で、大いに語り合いましょう!

この私たちの対話から、二十一世紀を担う青年たちに「人間教育」と「価値創造」の光を贈っていきたい。そう心から願っております(10-11頁、pp.1-2)

 

対話冒頭の文章を引用してみた。この引用から判る点が幾つかある。第一に文中にあるように、少なくても3者は2008年8月に長野で会っているということ。これは最初に引用した高倉良一氏による要望書の指摘した2010年㋄を最後に池田大作が公の場から姿を消したという日付より前の日付である。日本語版に引用されている写真の日付もそうであった。しかしながら先にも指摘したように、この対談の後半では東日本大震災にも言及されるから、三者は複数回会っていなければ、この本自体が成立しない。

 第二に「民主主義は対話から始まる」という冒頭の言葉は、日本語版によれば、C ラモント編『デューイをめぐる対話』(永野芳夫他訳、春秋社、1960年)からの引用である[17]。この日本語版は引用文献に関してはほとんど書籍名があるだけで頁数が表記していないのでわからないが、永野芳夫先生は大正大学教授も務め、日本デューイ学会の初代会長を務めた人であった。この本の翻訳には峰島旭雄先生も参加している。なぜ冒頭の文章によってこの書物を始めたか判らぬが、読み方によっては、この対談集は、大正大学と日本デューイ学会に対する一種の挑戦状とも受け取れる。

 第三にこの冒頭で「対話」の重要性について語っていることである。しかし先に引用した髙倉良一の「要望書」に示されたように、池田大作氏は2010年㋄以降、公の場に出ていない。何度も述べるように、この本後半では、東日本大震災のことに触れているが、池田大作氏は天皇陛下が被災地を見舞われたようなことを一切、していない。遠巻きに対談で触れているだけなのである。これを英文で読んだ外国人は多分、気が付かないであろうが。

 第四に、すでにこのガリソン博士の発言の中にその萌芽が見られるが、この対談集で池田大作氏(ゴーストライター?)は、ガリソン博士やヒックマン博士にも、牧口常三郎、戸田城聖、池田大作の三者の子弟?の結びつきをソクラテス、プラトン、アリストテレスの子弟との類似性を指摘していることである。これに関しては、後に出るガリソンによる問題発言を引用しよう。

 

ガリソン 二者に加え、私は三者の関係が、より重要に思われます。ソクラテス、プラトンにアリストテレスを加えた三代の関係が、西洋思想史における最も重要な教師と学生の学究の関係、ないしは子弟の関係にあったことは、疑問の余地のないところであり、これを否定する人はまずないでしょう。

そして牧口会長、戸田会長、池田会長の三代の子弟もまた、子弟の関係の連続性を示す意義深い事例であると思います。

 池田会長は、牧口、戸田両会長が歩まれた道を、そのまま辿ってこられました。それによって池田会長は、多くの人々が後に続くことのできる大道を築いてこられたのです。

この言い方は、もちろん字義通りの意味で申し上げているのではありません。ソクラテスの最大の業績が弟子のプラトンであり、プラトンにとっては、それが弟子のアリストテレスであったように、牧口会長の最大の業績は、戸田会長であったという意味で申し上げています。戸田会長の最大の業績は、池田会長であると思います。(64-65頁、pp.33-34.

 

この創価学会の会則教義に合わせたような歯の浮くような言辞が、果たして本当にガリソン博士の発したものなのか、あるいは「代作」の賜物なのかは、現時点では判断のしようがないが、もし、ガリソン博士が本気でこんなことを言っているのであれば、それは氏の学者としての三流レベルから来ているとしか、判断できない。日本の本格的なデューイ研究者がガリソン博士の論文を取り上げることは、ほとんどないに等しいが、それにしてもアメリカのデューイ協会の会長を務めたのだから、せめてデューイには、プラトンの対話編に関する論考があること位、注意を止めて欲しいものだ[18]。私もギリシャ哲学の専門家ではない。しかし哲学研究者にとって周知のように、ソクラテスは、牧口常三郎とは異なり[19]、自身の著作を残さなかった。ただプラトンやその他の著作からその言動が知られるだけである。また、プラトンとアリストテレスの著作は、その主張が異なる。両者の間には教義改変があるのだ。そしてこんなことは哲学研究者どころか、まともな哲学科の学生なら皆、知っていることなのである。さらにいえば現在、戸田城聖氏の遺族は創価学会を離れている。創価学会の純粋な信者ばかりがその事態を知らないのである[20]。いずれにせよ、ガリソン博士の発言?は、無知の極みである。私は博士に言いたい。「汝自らを知れ」と。

 

[17] 英語版には、Quoted in Corliss Lamont, ed., Dialogue on John Dewey(New York:Horison, 1959),pp.58,88,162.とある。原著未入手のため、なぜ頁数が複数頁に亘っているのか、わからなかった。

[18] 例えば、John Dewey, The Socratic Dialogues of Plato,1925 The Collected Works of John Dewey, Later Works vol.2. pp.124-140.参照。

[19] 『創価教育体系』第11930など。他方、ソクラテスの主張は主にプラトンの対話編から、引用されることがほとんどである。

[20] 戸田城聖の長男の葬儀は日蓮正宗で執り行われたという。http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11115961666

2016721日閲覧。

                       つづく

 



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» 感想of『実名告発 創価学会』
3割を精読、7割を斜め読みしました。
著作全体のイメージとして、
学会批判派に向けて書いたのでは必ずしもなく、
学会員を強く意識して書かれていると感じました。
ですから、
高倉先生ご指摘の通り、共産党との関係などの質問への回答は、
学会そのものへの悪印象を持たれないように
ウソもふくむ無難な答をしていますね。

懲戒解雇された3人とも、学会2世3世かつ本部職員に抜擢され、
池田氏の近くで働いた「学会エリート」でもあったので
まだ、その習慣が抜けていない面もありそうです。

プロローグで、彼らとともに行動した学会員が「共産党だ!」と
レッテルを貼られてパージされている実態を
書いているわけですから、
共産党敵視は隠しようのないことなのに。

2016年11月25日号の「週刊 金曜日」で
佐高信さんが、この『実名告発 創価学会』に関して
「学会を揺るがす」と評価しつつも、
「池田大作こそが二枚舌を使ってきた」
「学会の腐敗と混乱を招いた張本人だ」
という視点が皆無であることを批判していました。

週刊金曜日の(外部)編集委員の一人である佐高氏が
金曜日発行のこの本の甘さを「金曜日」で書いているのも面白いですね。

ともかく、「池田先生」の近くで働いていた彼らも、
「池田先生が……まるでご健在であるかのように作出されて」
「安保法制に反対していない」「と見せかけ」て
安保法制を容認したことに怒り、
その事実を指摘していることは重要だと考えます。

外から見ている我われには、予想通りの内容も多いですが、
是非とも、
何とか、たくさんの学会員に読んでもらいたいですね。
教員免許更新講習の教え子 2016/12/01(Thu)23:27:10 編集
» 無題
なぜお3人さんは学会批判をしようとしないのか、
普通なら自然なのに不思議なまでのMC状態ですね‥
エリートなのかもしれないけど、自然に考えるよう
した方が事実に辿り着けそうなのに。
月並みでも人としての感覚を大事にしたいものです。
宝星 2016/12/02(Fri)17:56:55 編集
» 詳細なコメント、ありがとうございました。
教員免許更新講習の教え子様

 ご多忙な中、『実名告発 創価学会』の内容に関する詳しいコメントをお寄せ頂き、心より厚く感謝申し上げます。

 この本を書いた方々は、第二次世界大戦が終わろうとした8月14日から15日にかけて、「玉音盤」を奪おうとした青年将校とよく似ているのではないでしょうか。
 悪いのは、昭和天皇の「側近」であると信じ込んでいた青年将校と同じような考え方をしているような気がしてなりません。
希望 2016/12/02(Fri)21:36:48 編集
» 無視されました
宝星様

 コメントをお寄せ頂き、誠にありがとうございました。

 いつ頃だったか忘れましたが、この3名の方々に、私はメールを差し上げたことがありました。

 しかしながら、12月2日現在の時点で、まだ、ご返事がありません。なぜなのでしょうか。
希望 2016/12/02(Fri)21:40:58 編集
» 池田大作主義
ずっと創価学会に無関心だった私は
池田氏の著作は、ほんのわずかしか読んだことがありませんが、
それでも、池田大作+ブレーンたちが書いた、かつての著作に
それなりの魅力があることは知っています。

『実名告発 創価学会』の3人の生活史を見れば、
池田大作氏の存在を相対化するには
まだまだ時間がかかりそうです。

ただ、今の創価学会主流派幹部は
池田大作主義の「平和」路線すら明確に裏切っていますから、
私は、学会員に、この本を読んで
自分の行動のあり方を考え始めてほしいと思います。

池田大作こそが、学会の腐敗と混乱を招いた張本人であることは、
もともと学会に批判的な人には説明しやすいですが、
学会員には一番、通じにくい話です。
池田氏「不在」の今こそ、
学会内部に対しては、通じやすい矛盾指摘によって
腐敗の認識、問題意識を
広げていければ、と考えます。

もちろん、著者3人が、
行動を続ける中で、一日も早く池田大作主義を乗り越え、
高倉先生と連帯できる日が来ることを祈っています。
PS.暴力的排除の犠牲者という点では、
  現段階でも共に闘えるような気もするのですが……。
教員免許更新講習の教え子 2016/12/02(Fri)23:08:15 編集
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性別:
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大学教員
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自己紹介:
HN:希望
大学と各種の専門学校で、法律学、哲学、社会学、家族社会学、家族福祉論、初等社会、公民授業研究、論理的思考などの科目を担当しています。
KJ法、マインド・マップ、ロールプレイングなどの技法を取り入れ、映画なども教材として活用しながら、学生と教員が相互に学び合うという参画型の授業を実践しています。現在の研究テーマの中心は、法教育です。
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