「永遠の命と思って夢を持ち、今日限りの命と思って生きるんだ。」

  香川大学生涯学習教育研究センター研究報告第20号(2015年3月)に掲載された論文をご紹介致します。

 

なお、共著者の氏名は匿名にさせて頂きます。

 

       記

 

相対的貧困状態に置かれている子どもに必要な支援とは?

―国立大学法人香川大学への提案―

                 髙倉良一 ○○○○

 

本稿の目的

 

平成26年7月15日に、厚生労働省が発表した「平成25 年国民生活基礎調査」(1)で、子ども(17 歳以下)の貧困率(2)は16.3%となっていることが明らかになった。すなわち、約6人に1人の割合で子どもは貧困状態に置かれていることが判明したのである。

「日本の将来を担う子供たちは国の一番の宝である。貧困は、子供たちの生活や成長に様々な影響を及ぼすが、その責任は子供たちにはない。子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る子供の貧困対策は極めて重要である。」(3)ことは言うまでもない。

本稿では、貧困状態に置かれている子どもに対して、国立大学法人香川大学(以下、香川大学と表記する)が、どのような支援を行うべきかについての提案の骨子(4)を述べることにしたい。

 

日本の現状

 

子どもは、自らの責任で貧困状態に置かれているのではない。大人の場合には、自らがそのような貧困状態を生み出したという責任が問われる可能性はある。しかし、子どもの場合は、そのような自己責任は全くないのである。子どもは、どのような親のもとに生まれるかによって、その生活が左右されるのである。しかも、子どもは、自らの力で貧困状態を改善することは不可能であり、その困難な環境に甘んじるしかない。 

そこで、これまで各地方自治体や多くの民間団体が、このような貧困状態に置かれている子どもに対する様々な支援活動を展開してきた。生活保護受給世帯の子どもの学力向上や自己肯定感の獲得等を目的とした支援活動がなされてきた。

ところが、このような支援活動が展開されてきたにも関わらず、厚生労働省の発表した「平成25年国民生活基礎調査」では、日本の子どもの貧困率は、昭和60年の10.9%から平成24年の16.3%へと上昇していることが明らかにされた。しかも、平成24年には、子どもの貧困率の値が、国民全体の相対的貧困率16.1%を上回ったことも判明した(5)。つまり、人生の中で、最も貧困リスクが高い時期が子ども期である、という現象が起こってきているのである。

このような状態を改善すべく、平成25619日に参議院本会議で、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立し、平成26117日に施行されるに至った(6)。

この法律は、「子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図るため、子どもの貧困対策に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにし、及び子どもの貧困対策の基本となる事項を定めることにより、子どもの貧困対策を総合的に推進すること」(第1条)を目的とし、「子どもの貧困対策は、子ども等に対する教育の支援、生活の支援、就労の支援、経済的支援等の施策を、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのない社会を実現することを旨として講ずることにより、推進されなければならない。」(第2条)との基本理念を定めたものである。

さらに、平成26829日には、この法律の第8条の規定に基づき、「子供の貧困対策に関する大綱~全ての子供たちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指して~」が閣議決定された。

 

香川大学の理念

 

香川大学は、その大学憲章の中で、「香川大学は、学術の中心として深く真理を探究し、その成果を社会に還元するとともに、環瀬戸内圏の中枢都市に位置する大学であることを踏まえ、学術文化の発展に寄与することを使命とする。香川大学は、多様な学問分野を包括する『地域の知の拠点』としての存在を自覚し、個性と競争力を持つ『地域に根ざした学生中心の大学』をめざす。香川大学は、世界水準の教育研究活動により、創造的で人間性豊かな専門職業人・研究者を育成し、地域社会をリードするとともに共生社会の実現に向けて活動する」(7)と宣言している。

そして、教育に関しては、「豊かな人間性と高い倫理性の上に、幅広い基礎力と高度な専門知識に支えられた課題探求能力を備え、国際的に活動できる人材を育成する。」ことを、研究に関しては、「香川大学は、多様な価値観の融合から発想される創造的・革新的基礎研究の上に、特色ある研究を開花させ社会の諸課題の解決に向けた研究を展開する。」ことを、社会貢献に関しては、「『知』の源泉として地域のニーズに応えるとともに、蓄積された研究成果をもとに、文化、産業、医療、生涯学習などの振興に寄与する。」を、理念として定めている。

さらに、大学の概要には、「香川大学は、6学部13学科、8研究科(2専門職大学院を含む)を擁した総合大学として、『知』が価値を持つ時代…21世紀にふさわしい大学になろうとしています。そして、個性と競争力を高めるために『地域に根差した学生中心の大学』をめざしています。」と記述している。

とするならば、このような大学憲章を定めている香川大学は、貧困状態に置かれている子どもに対して何をなすべきであろうか。

 

居場所としての「Home」の創設

 

貧困状態に置かれている子どもたちが本当に望んでいることは何だろうか。おそらく、その希望は様々であろう。貧困状態から脱するために、ばりばり受験勉強をしたい子どもも存在するであろう。家庭環境が落ち着かず、勉強する気がどうにも起きないばかりか、身近に相談相手がいないという子どもも存在することであろう。

我々は、相互扶助社会の構築を目指すという観点から、貧困状態に置かれている子どもが「のびのびとできる場」、「心身ともに活力を得られる場」、すなわち、「Home」を香川大学に創設することを提案する。

「Home」での活動の担い手には、主には、香川大学の学生ボランティアを想定している。中でも、香川大学教育学部の教員志望の学生を予定している。

その理由は、教育学部には、学生のボランティア活動を単位認定するという制度がある。「Home」を大学内に創設することで、ボランティアを行うために遠方まで出向いていた学生が、大学内でボランティアを行えるというメリットがあるだけでなく、より多くの学生に日本の貧困の現状を認識してもらうことができるからでる。

しかも、大学内に「Home」を創設するならば、支援活動を行う場所のコストが不要となる。「Home」で、勉強を教えてもらったり食事などを共にすることで、子どもたちは、自分と近い年齢の大学生とかかわる機会が増え、一緒にいても傷つけられず共感してくれる大人に出会えることになるのである。

 
                                     つづく



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今晩は。

最近、創価呪詛撃退中二病ストーカー撃退バトルにばかり引きずり込まれ続けていたので、なんとも思考回路がリフレッシュ出来る論文でした♪

まだ途中ですが感想を述べさせて頂きます。

「子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう」

と、いうことですが、生まれ育った環境によって左右されるのはアリだと思います。
凄い偏った言い方ですが、「もったいない」や「ものを大事にする心」は、ある程度、物質に恵まれない環境に居た方が育つと思うし、「モノが無い」から工夫や知恵をしぼる習慣も当たり前に身に付く事が多いと思います。
それに、これも凄く偏った言い方ですが、そういう環境下でも負けない気概の子供って、私が子供の頃には結構いました。
両親の芯が強い家庭だったんだなぁと今は思いますが、そういう強さも環境が育む一つの個性だと思うんです。

ただ、それを楽しく前向きに出来る環境か否かは両親のみならず、それを大切に育っててくれる環境が必要だと思うので、そうしたところを育んでくれる人達が居たらきっと嬉しいと思います。


「貧困が世代を超えて連鎖することのないよう」
これには大賛成です。
就職が、学歴や資格に左右される傾向はまぁ、人格形成や必要基礎知識の有無をかんがみると企業側の見解としては当たり前なのかとは思いますが、それならば、いっそ全ての子供に大学or専門学校への進学の道が閉ざされないように、奨学金制度や諸々の門戸を大きく開き、大々的に毎年アナウンスしていただきたいものだ。まぁ、地域によって違うものも多々あるので、一概にこうとは言えないと思うが、それでも、「夢や希望を諦めないで済む道がある」のは、自立して、貧困世襲しなくて済むようになるのではなかろうか?
そして、こうした「道」には、それを通過した人達のアドバイスがとても役に立つと思うので、ボランティアの方々には多いに頑張って頂けるのではないでしょうか。

と、全然教育に関わっていなくとも、拙くも思うところにございます。


なんか、本当にすげぇなぁ!高倉先生って。

と改めて思いました。


私も日々の呪いを蹴散らしながら、腐らずに居られるように頑張ります♪
( ̄^ ̄)ゞ
ひろこ 2015/04/09(Thu)21:29:56 編集
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プロフィール
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本名:髙倉良一(たかくらりょういち)
性別:
男性
職業:
大学教員
趣味:
思索と散歩と映画鑑賞
自己紹介:
HN:希望
大学と各種の専門学校で、法律学、哲学、社会学、家族社会学、家族福祉論、初等社会、公民授業研究、論理的思考などの科目を担当しています。
KJ法、マインド・マップ、ロールプレイングなどの技法を取り入れ、映画なども教材として活用しながら、学生と教員が相互に学び合うという参画型の授業を実践しています。現在の研究テーマの中心は、法教育です。
私は命ある限り、人間を不幸にする悪と闘い抜く覚悟です。111歳までは、仕事をしようと決意しています。
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