法教育講座 その１３

　本日３月12日に、映画「WORTH 命の値段」を鑑賞しました。この映画は、2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロに関する映画です。犠牲になった方々の遺族に対する「補償金」の分配を担当した弁護士達の奮闘を取り上げた作品です。実話に基づいた映画です。

 

　印象に残った事柄は二つあります。

 

一つは、映画の冒頭で、主人公である弁護士が、ロースクールで授業を行っている場面です。学生に対して、「ここは哲学のコースではないから、人生はいくらに換算できるとの問いに対して答えを出すことができる」と説明するシーンです。法律家の考え方を簡潔に示した発言です。

 

一つは、この映画のパンフレットに、山形浩生氏が「配分の仕方～あなたならどう考える？」というコラムで、映画の冒頭で「人名の価値算定の発端でここまでもめること自体どうよ、と思えてしまうのだ。」と書かれていることです。

 

この人物は、「災害対応に巨額の税金を使うことを説明する」ことが「本業」の実務家であり、このコラムの最後を「現場の苦労を理解してくだされば、とこの実務家は心から願うものだ。」と結ばれています。

 

この方の指摘は、この映画に対して、「尋常ではなく感動的」と絶賛を浴びせたNew York Timesの記事に対する根本的な批判です。

 

映画「WORTH 命の値段」を、是非ともご覧になって頂ければ幸いです。

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