「ここに極めて吾人の注意を惹く一事は、徳川幕布に於ける政治家は、真実の政治家たる資格として、必ず哲学並びに史学を修めねばならぬと考えていることである。吾人は之を吾国今日の政治家と対比して、その甚だしき懸隔に驚く。
中略
プラトンは二千年の昔に於て、政治家は哲学者ならざるべからずと道破した。而してこの言は徳川時代の政治家によって多少実現されていた。
いまや社会現象は異常に複雑を極めつつある。判断の材料は余りに多きを加えた。部分的の批評家は、到底之に対して正当なる判断を下すに堪えぬ。よくこれら一切の現象を総合して、誤らざる判断を下し得る者は、実に哲学者でなければならぬ。故に今日の政治家は、もし真に国家の生命を正しく発展せしめんとすれば、同時に哲学者でなければならぬ。吾人はこの点に関し、今日の吾国の政治家に対して満腔の不満と不服とを抱くものである。」
上記の文章は、大川周明著「日本二千六百年史 新書版」(2017年10月、株式会社毎日ワンズ)の210頁から211頁に記されています。
著者の大川周明氏は、昭和7年の5・15事件に連座して禁固5年に処せられ服役しました。この本は、出所後の昭和14年に出版されましたが、その一部は不敬罪違反として削除されました。
その後、民間人でありながら、東條英機元首相らと共にA級戦犯として、GHQに逮捕されました。
東京裁判の記録映画の中で、前列に座わっていた東條元首相の後頭部を、大川周明氏が平手で叩く場面をご覧になられた方も多いのではないでしょうか。この奇行などが理由となって、大川氏は免訴、釈放されました。
現在、私は、この本を後ろから読み進めています。上述の文章は「第24章 徳川時代の思想界に於ける新精神」に記されています。
前述のように、この本は、第二次世界大戦前には、日本政府によって、その一部が不敬罪として削除されたにも関わらず、大ベストセラーになりました。
第二次世界大戦後は、この本は、GHQによって発禁処分を受けました。
最近、自由民主党が、所属の国会議員に対して、「失言防止マニュアル」を配布しました。
このマニュアルに関しては、別の記事で取り上げることにしますが、現在、わが国の国会議員の方々の中に、大川周明氏から「哲学者」であるとの評価を受けるような人物がおられるでしょうか。
第98代内閣総理大臣安倍晋三氏と、その大臣の方々を、創価学会池田カルト一派のスキャンダル隠しが最大の任務である公明党の国会議員の方々を、大川周明は「哲学者」と評されるでしょうか。
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大学と各種の専門学校で、法律学、哲学、社会学、家族社会学、家族福祉論、初等社会、公民授業研究、論理的思考などの科目を担当しています。
KJ法、マインド・マップ、ロールプレイングなどの技法を取り入れ、映画なども教材として活用しながら、学生と教員が相互に学び合うという参画型の授業を実践しています。現在の研究テーマの中心は、法教育です。
私は命ある限り、人間を不幸にする悪と闘い抜く覚悟です。111歳までは、仕事をしようと決意しています。