山本哲也創価学会副会長が、私から名誉を毀損されたと訴えた裁判に関する東京高等裁判所の判決の続きをご紹介させて頂きます。
記
第3当裁判所の判断
1当裁判所も,被控訴人の本訴請求は,本件各文言の削除並びに55万円及びこれに対する平成25年3月5日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があるからこれらを認容し,その余の請求を棄却すベきものであり,控訴人の反訴請求は理由がないから棄却すべきものであると判断する。その理由は,当審における控訴人の主張も踏まえて,次のとおり補正するほかは,原判決の「理由」中「第1 本訴請求」及び「第2 反訴請求」に記載のとおりであるから,これを引用する。
(原判決の補正)
(1)原判決8頁15行目末尾の次に改行して,次のとおり加える。
「控訴人は,本件各文言で示されている創価学会副会長の氏名が「山本哲史」 であり,被控訴人の氏名とは異なっているところ,創価学会の副会長は200人近くおり,その中には山本姓の者もおり,そもそも山本姓は多いにもかかわらず,上記の「山本哲史」と被控訴人とが同一人物であることを示す証拠もないとして,本件各文言が被控訴人の名誉を毀損するとの判断は不当であると供述する(乙48の1)。
しかしながら,控訴人は,原審において,本件各文言に示されている「山本哲史」又は「訴外山本」が被控訴人を指すことを前提として,被控訴人の社会的評価を低下させる旨の被控訴人の主張を認め,専ら,本件各摘示事実が真実であり,真実でないとしても,真実であると信ずるにつき相当の理由がある旨の主張立証活動をしていたのであり,本件各文言において被控訴人に言及していたことについて争うものではない。そして,本件各文言に示されている氏名の3文字までが被控訴人の氏名と同一であり,創価学会における肩書も付されている以上,一般の読者においても,本件各文言に示されている「山本哲史」について,被控訴人の氏名の誤記であると理解するものと認められ,控訴人の上記供述を採用することはできない。
なお,控訴人は,本件各文言が被控訴人の社会的評価を低下させることについては否認するものである旨を供述する(乙49)が,ある行為が対象となった者の社会的評価を低下させるものであるかは,評価に関わる判断対象であり,本件各文言については,そこで言及された被控訴人の社会的評価を低下させるものであると解されるから,控訴人の上記供述も採用し得ない。」
(2) 同13頁16行目冒頭から同14頁4行目末尾までを次のとおり改める。 「 訴状等訴訟関係書面をインターネット上に公開する行為は,訴訟活動とは 異なる情報提供行為であるから,訴訟行為に伴う名誉毀損の成否について適正な裁判の確保との関係において慎重な判断が求められる場面とも異なり,裁判が公開されていることによって,直ちに,それによる名誉毀損の違法性が阻却されるものではなく,また,同様に,上記表現行為によって名誉が毀損されたとして損害賠償等を求める訴訟を提起することが権利の濫用になるものではない。そして,本件各摘示事実は,「創価学会池田カル卜一派とその裁判シリーズ84」と題する記事において示されているのであり,一般の読者は,控訴人が自らの主張に従い真実と信ずる内容を伝えるものであると受け止めると解されるのであって,これが被控訴人の社会的評価を低下させるものであり,違法性を阻却する事由が認められない以上,本件ブログへの掲載は被控訴人に対する名誉毀損の不法行為に当たるといわざるを得ず,裁判の公開を理由として本訴請求が権利の濫用であるとする控訴人の主張は採用することができない。
また,控訴人は,別件事件以外にも,被控訴人に言及した他の訴訟も提起してその訴状も公開しているにもかかわらず,別件訴状のみを問題にしているとして,これが権利の濫用に当たる旨を主張するようであるが,本件各文言の本件ブログへの掲載が名誉毀損に当たることは前記のとおりであり,他に本訴請求が権利の濫用に当たることを基礎付ける事情は認められず,控訴人の主張は採用することができない。
よって,抗弁イには理由がない。」
つづく。
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大学と各種の専門学校で、法律学、哲学、社会学、家族社会学、家族福祉論、初等社会、公民授業研究、論理的思考などの科目を担当しています。
KJ法、マインド・マップ、ロールプレイングなどの技法を取り入れ、映画なども教材として活用しながら、学生と教員が相互に学び合うという参画型の授業を実践しています。現在の研究テーマの中心は、法教育です。
私は命ある限り、人間を不幸にする悪と闘い抜く覚悟です。111歳までは、仕事をしようと決意しています。