「権力悪との闘いシリーズ その32」でご紹介致しましたが、8月30日午後1時45分に、香川県弁護士会が、私の訴訟代理人である弁護士の生田暉雄先生に対して1ヶ月間の業務停止処分を行いました。
以下、生田先生が、日本弁護士連合会に提出された文書「懲戒処分の異議申立及び効力停止申立書(その2)」を掲載させて頂きます。
記
懲戒処分の異議申立及び効力停止申立書(その2)
平成25年9月2日
審査請求人
弁護士 生 田 暉 雄
日 本 弁 護 士 連 合 会 御 中
記
目 次
第1、香川弁護士会添付の懲戒議決書の問題点
第2、議決書の問題点
1、適正手続違反
2、内容上の問題点
第3、結論
第1、香川弁護士会添付の懲戒議決書の問題点
1、香川県弁護士会は、対象弁護士(生田)を業務停止一月とするにあた りその理由書である議決書を交付した(別紙9)。
この議決書には以下の問題点がある。
第2、議決書の問題点
1、適正手続違反
(1)懲戒委員会の不公正
本件懲戒委員会委員長のYとは、県下の老人施設の侵入道路をめぐって、審査請求人が原告側、Yが被告側代理人で、熾烈な関係にあり、代理人同士も感情的対立にまで発展している。このような関係にある弁護士は懲戒委員を回避すべきであり、同人が加わった懲戒は違法で無効である。何よりもそのような弁護士が懲戒委員となることは、適正手続違反である。Yが、本件懲戒事由のどの部分を事案する等したのか、Yの役割を明らかにすべきである。
なお、Yは元香川県弁護士会会長で、会員に対する影響力は絶大なものがあるのである。
このように対立関係にある弁護士が一方で懲戒委員として「江戸の敵を長崎で」ということが出来ること自体、弁護士会の規則の不備である。いずれにしても本件懲戒手続は、Yが加わっていることで無効である。
(2)綱紀委員会の不正を実質的に引用する問題
Xは懲戒申立書を、あえて、極めて不十分と受け取らざるを得ない拙劣な申立書を作成した。虚偽告訴罪(刑法172条)、及び虚偽申立(軽犯罪法1条16項)といわれることを恐れ、能力の無さを装っていたのである。
綱紀委員会の聴き取り手続が開始されるや、有る事無いことを大げさに表現した。
Xのかまとと(能力の無さ)の装いに騙されていたとも気付かない綱紀委員会は、Xに懲戒申立書の補充書を提出させる措置もとらず、綱紀委員会の議決書を懲戒申立書に代替する措置を取った。
香川県弁護士会懲戒委員会はこの議決書に対する審査請求人の認否を取らず、適正手続違反がある。
さらに、香川県懲戒委員会はX申立の本件懲戒を、民事裁判の結論を待たず、民事裁判に先行することによって、Xの生田に対する民事裁判に客観的に加担する役割を果たそうとしているのである。
要するに、懲戒委員会は、綱紀委員会の議決に実質上したがっている問題がある。
(3)手続の通知が一切無い適正手続違反
議決書(別紙9)によれば、平成25年7月1日に懲戒委員会において、対象弁護士尋問の後、懲戒委員会としては、委員会の審理の予定、対象弁護士の最終意見書の提出期限を通知することもしなかった。
懲戒委員会は内部的には、同年8月7日に議決書(別紙9)を作成した。
そして、告知期日を8月20日に、最初は8月26日、最終的には8月30日と通知した。
8月20日に通知を受けた対象弁護士は、最終意見書の提出期限の通知も受けていない。
驚いて、8月21日最終意見書(別紙7)を出したが、香川県弁護士会はこれを受理せず、突き返した。
このような一方的な懲戒手続は極めて重大な適正手続違反がある。
2、議決書の内容上の問題点
(1) 虚偽告訴罪(刑法172条)になることを恐れて懲戒請求書に詳細を書かないXの懲戒請求申立書(別紙4)
① 議決書(別紙9)の2頁、3頁ないし4頁によれば次のとおりである。
Aの断り以降の複数回にわたりXは対象弁護士に連絡したという。対象弁護士はこの点を否認している。
このような重大な事を懲戒申立書に書かないのは、虚偽告訴罪(刑法172条)を恐れているからである。
弁護士会としては、懲戒申立補充書をXに出させるべきである。
またこの連絡に対する対象弁護士の認否を弁護士会としては促すべきである。
これを欠く香川県弁護士会には重大な手続違反がある。
② A、Bは紹介者に過ぎない(同3頁(3))。
議決書は、A、Bは紹介者に過ぎないとあつかっている。
しかし、契約自由の原則により、委任契約にも種々の方法があり得る。
Xの委任契約の場合は、A、Bが委任の詳細を生田に報告し、その報告書を見て、生田は受任するか否かを決する委任契約である。
少なくとも生田はそのように理解し、後の行動を取った。
生田の理解を契約成立の検討にしなければならない。
Bの「お詫び状」(別紙10)によれば、Bは2010年(平成22年)2月3日以降にXの委任を断る旨の連絡を対象弁護士(生田)にした。
Aは、陳述書(別紙11)によれば、平成21年7月末か8月頃、Xの委任は断る旨の通知を対象弁護士にしたというものである。
従って、対象弁護士としては、Xの依頼は無かったものとして後は行動した。
対象弁護士の理解に仮に問題があるとしても、それは過失としての問題である。
委任契約としては成立していないのである。
(2)着手金預かりの問題点
議決書3頁(3)対象弁護士の委任契約未成立という見解であれば、受領する金員を着手金とせず預かり金とすべきか詳細連絡を受任の条件である旨を内容の書面化すべきである、との議決するこの点について。
① 受領した金員を「着手金」と見るか「預かり金」とみるかは、金員授 受の解釈の問題である。
領収書の表題も解釈の1つの資料に過ぎない。
そもそも契約に先立ち金員が交付される委任契約が全く無いわけではない。
従って、契約前後に交付された金員の性格を解明しておく必要性がある。
② 50万円の着手金の意味
ア、平成21年6月16日金10万円、平成21年7月31日40万円の着手金(厳密には着手金名目の預り金)を受領している。
委任契約自体の不成立と着手金名目の預り金との関係はどうなのであろうか。
なお、50万円は10万円の利息をつけて、平成24年3月14日に返還済みである。
イ、委任契約申込と同時に着手金が渡っていることは、委任契約の成立を条件とする預り金として生田は受領していることになる。
契約が成立すれば着手金となる。
そして委任契約が成立しなかったことは、預り金の根拠が無くなったことを意味する。
Xは預り金の返還請求権を取得している。
生田は、法律上の根拠なく、不当利得として50万円を取得していることになる。
Xは、平成24年3月13日、預かり金50万円の返還請求をし、生田は平成24年3月14日、50万円プラス利息10万円の60万円を返還した。
これで預り金の授受も清算された。
ウ、着手金名目の預り金の受領が、委任契約の成立に影響を及ぼすのか。
着手金名目の預り金の受領は、委任契約が成立すれば着手金となるだけで、委任契約が成立しなければ着手金とはならない。
着手金名目の預り金の受領が委任契約の成否に影響を及ぼすこともない。
委任契約の成立に期待を持たす効力も無い。着手金名目の預り金の授受は、委任契約の成立によって着手金となる委任契約に従たる契約であり、従たる契約が主たる契約に影響を及ぼすのは主客転倒であって、あり得ないことである。
エ、結論
以上で詳述したように、本件Xの生田に対する委任契約は成立していない。
着手金名目の金銭の授受はあったが、委任契約が成立しなかったので、預り金は存在根拠を無くした。
Xは着手金名目の預り金返還請求権を有し、生田は預り金を不当利得しているので返済する義務がある。
本件では平成24年3月14日清算済みである。
議決書は理由がない。
つづく
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記
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