「権力悪との闘いシリーズ その32」でご紹介致しましたが、8月30日午後1時45分に、香川県弁護士会が、私の訴訟代理人である弁護士の生田暉雄先生に対して1ヶ月間の業務停止処分を行いました。
以下、生田先生が、日本弁護士連合会に提出された文書を掲載させて頂きます。
記
懲戒処分の異議申立及び効力停止申立書
平成25年8月31日
審査請求人
弁護士 生 田 暉 雄
日 本 弁 護 士 連 合 会 御 中
記
目 次
第1、申立の趣旨
第2、申立の理由
第3、事実関係
第4、懲戒申立人が懲戒申立をした理由
第5、香川県弁護士会の事実誤認の理由及び適正手続違背
1、弁護士会の判断の不一貫性
2、適正手続違反
3、香川県弁護士会の審査請求人に対する予断と偏見
第6、X申立の懲戒の結論と執行は受忍できない理由
1、適正手続違反
2、香川県弁護士会の会規の憲法76条2項違反
第7、小結
第8、香川県弁護士会懲戒委員会の懲戒の会規の問題点
第1、申立の趣旨
1、香川県弁護士会が平成25年8月30日付で審査請求人に対してなした懲戒処分を取消し、その効力は審査請求人に対する裁決に至るまで停止するとの決定を求める。
第2、申立の理由
1、香川県弁護士会は、平成25年8月30日、審査請求人を業務停止1ヶ月とする懲戒処分に付した(別紙1、懲戒書)。
2、処分の執行又は手続の続行により回復の困難な損害を避けるため、緊急に処分の執行停止及び処分の取消の必要があるため。
3、審査請求人は、平成25年8月30日午後1時45分に、香川県弁護士会より同日同時刻に言渡を受けた(別紙2、教示書)。
4、予期しない不当な内容であり、事後の予定の変更が不可能である。
5、不当な事実誤認の内容であるばかりか、懲戒手続において適正手続を遵守しておらず、懲戒処分を受ける弁護士に事前に告知、弁明、防禦の機会が付与されていない。弁護士会たるものがこのような事実誤認で、非常識極まる適正手続無視の懲戒をしてよいのか、良識を疑っても疑いきれないものである。
6、このような懲戒による処分を早急に取り消されたく、本申立に及ぶ次第である。
第3、事実関係
別紙3、事実関係のとおり。
なお、懲戒申立人の申立書(別紙4)。
これに対する答弁書は別紙5のとおり。
第4、懲戒申立人(X)が懲戒申立をした理由
Xの本件懲戒申立には、懲戒申立書としてあまりに不十分で、弁護士会において、補充書の提出を命ずる等、懲戒申立書の完成を期するべく、弁護士会としてするべき手続をしていない。
Xは高知県南国市の市会議員を何期も務めた市議のベテランである。
市議として不服申立や懲戒申立書の作成は専門中の専門といえる経験を有している人物である。
にもかかわらず、なぜ、別紙4のような不十分な懲戒申立書しか書いてないのか。
これは、虚偽の懲戒申立による虚偽告訴罪に問われることを恐れたとしか考えられない。
ところが、香川県弁護士会は、Xから事情を聴取し、議決書を作成した(別紙6)。
そして、綱紀委員会の議決書を懲戒申立書に代えて香川県弁護士会は懲戒申立の対象とした。
Xは、綱紀委員会の事情聴取を受けるや、有ること無いことしゃべりまくったと解せられる。
そこで、それなら綱紀委員会としては、懲戒申立書の補充書を提出せよと命ずるべきであった。
Xは綱紀委員会によって、虚偽告訴罪の適用を免れたのである。
そればかりでなく、Xのカン計に引っかかった香川県綱紀委員会は、懲戒申立人に申立書を出させなかったと同様の手続をしたことになり、適正手続違反を犯しているのである。
なお、Xは本件国家賠償の時効完成まで一切催促をせず、時効完成を待って平成24年1月13日懲戒申立をした。そして、審査請求人に対し、同年5月30日、金1713万円余の損害賠償の民事裁判を提訴した。民事裁判は高知地方裁判所に係属中である。
懲戒申立は民事裁判を有利にするための手段としている。
第5、香川県弁護士会の事実誤認の理由及び適正手続違背
以上のように、本件懲戒申立人側にも問題があるが、これを受けた香川県弁護士会側にも以下のような問題がある。
1、弁護士会の判断の不一貫性
懲戒事案は、懲戒申立人が懲戒事由としたものについて弁護士会として判断すべきであって、懲戒事由としていないものを弁護士会の綱紀委員会で勝手にデッチ上げて懲戒事由とすべきではない(不告不理の原則)。
香川県弁護士会はこの点を十分に理解していない。本件について、弁護士会の判断は、この不告不理原則違反の不当なものである。
Xの懲戒申立の補充書を提出させることを第1次として、弁護士会の綱紀委員会の議決書は第2次的な懲戒申立と解すべきである。善解に善解を重ねるべきではない。
2、適正手続違反
⑴ 懲戒委員の不公正について
本件懲戒委員Yとは、県下の老人施設の侵入道路をめぐって、審査請求人が原告側、Yが被告側代理人で、熾烈な関係にあり、代理人同士も感情的対立にまで発展している。このような関係にある弁護士は懲戒委員を回避すべきであり、同人が加わった懲戒は違法で無効である。何よりもそのような弁護士が懲戒委員となることは、適正手続違反である。Yが、本件懲戒事由のどの部分を事案する等したのか、Yの役割を明らかにすべきである。
このように対立関係にある弁護士が一方で懲戒委員として「江戸の敵を長崎で」ということが出来ること自体、弁護士会の規則の不備である。いずれにしても本件懲戒手続は、Yが加わっていることで無効である。
⑵ Xは懲戒申立書を、極めて不十分と受け取らざるを得ない拙劣な申立書を作成した。虚偽告訴罪(刑法172条)、及び虚偽申立(軽犯罪法1条16項)といわれることを恐れ、能力の無さを装っていたのである。
綱紀委員会の聴き取り手続が開始されるや、有ること無いことを大げさに表現した。
Xのかまとと(能力の無さ)の装いに騙されていたとも気付かない綱紀委員会は、Xに懲戒申立書の補充書を提出させる措置も取らず、綱紀委員会の議決書を懲戒申立書に代替する措置を取った。
香川県弁護士会懲戒委員会はこの議決書に対する審査請求人の認否を取らず、適正手続違反がある。
さらに、香川県懲戒委員会はX申立の本件懲戒を、民事裁判の結論を待たず、民事裁判に先行することによって、Xの生田に対する民事裁判に客観的に加担する役割を果たそうとしているのである。
⑶ 適正手続を遵守せず、懲戒の結論の告知を急ぐ香川県弁護士会の不可解な行動
① 平成25年7月1日懲戒委員会による対象弁護士に対する事情聴取後、懲戒委員会から対象弁護士に対する何らの連絡も無かった。
平成25年8月20日香川県弁護士会から、8月26日午前10時、懲戒の告知のため出頭されたい、と対象弁護士に連絡が入った。
対象弁護士としては、当然に、最終弁論の機会があるものと考えていたのに、その機会も無く、告知ということで驚いて、最終準備書面に該当する弁明書⑵(平成25年8月21日付)を提出した。
なお、懲戒委員会においてこの弁明書⑵の受け取りを拒否した。被懲戒者の最終意見の陳述を拒否する適正手続違反である。
そこで、同21日の夜9時、香川県弁護士会所属のZ弁護士宅を訪れて、懲戒事件の付添人兼弁護を依頼した。
② Z弁護士は、翌8月22日、上申書を弁護士会に提出するとともに、㈠8月26日の期日の変更、㈡付添人の意見書である弁明書提出のための再開の申出を強く主張した。
しかし、弁護士会の見解は出来ていることを理由に、弁明書提出のための再開に応じない。
弁護士会の見解が出来ているからこそ、弁明書の提出が必要なのであり、理由にならない理由による却下である。
③ そして、弁護士会は、8月中に告知する点はどうしても譲歩せず、8月30日午後1時45分告知と決定し、Z弁護士を通じて対象弁護士に通知した。
④ なぜ、ここまで頑なに必要な審理を怠って、8月中の告知に固執するのか。
本件懲戒申立の背後関係の不明瞭さと相俟って、別紙の香川県弁護士会の懲戒手続の問題点で述べた懲戒申立権の濫用の諸場合の1つと推測せざるを得ない。背景の勢力は何なのか。弁護士会は、何人に気を使っているのか(別紙8の香川県懲戒委員会の問題点、参照のこと)。
⑤ 会規15条によれば、「対象弁護士等は、弁護士又は弁護士法人を代理人に選任することができる」と規程している。
これに基づいてZ弁護士が対象弁護士代理人として、弁明書の提出の機会を与えられたい、再開されたい、と申し入れたのである。 香川県弁護士会はZ弁護士の申し入れを聞き入れない。
これでは会規15条は有名無実である。
香川県弁護士会の8月30日の告知ということは会規15条違反の重大な手続違背がある。
重大な適正手続違反である。
つづく
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記
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KJ法、マインド・マップ、ロールプレイングなどの技法を取り入れ、映画なども教材として活用しながら、学生と教員が相互に学び合うという参画型の授業を実践しています。現在の研究テーマの中心は、法教育です。
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