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「永遠の命と思って夢を持ち、今日限りの命と思って生きるんだ。」
津村信一氏による大江戸仏教瓦版の続きを掲載致します。

      記


 白米一俵御書 五九歳 一五四五頁


 の道は世間の事法にて候。金光明経には「し深く世法を識れば、即ち是仏法なり」ととかれ、涅槃経には「一切世間の外道の経書は、皆是仏説にして外道の説に非ず」と仰せられて候を、妙楽大師法華経の第六の巻の「一切世間のは、皆実相とせず」の経文に引き合はせて心をあらわされて候には、彼々の二経は深心の経々なれども、彼の経々は未だ心浅くして法華経に及ばざれば、世間の法を仏法に依せてしらせて候。法華経は然らず。やがて世間の法が仏法の全体と釈せられて候。


  の経々の心は、心より万法を生ず。譬へば心は大地のごとし、草木は万法のごとしと申す。法華経は然らず。心すなわち大地、大地則草木なり。爾前の経々の心は、心のすむは月のごとし、心の清きは花のごとしと申す、法華経は然らず。月こそ心よ、花こそ心よと申す法門なり。此をもってしろしめせ。白米は白米にはあらず。すなわち命なり。


 


  日蓮聖人の曼荼羅は特級呪物か(2)


  撰時抄    


  第七の巻に第五の五百歳闘諍堅固の時を説いて云はく、「悪魔・魔民・諸天・竜・夜叉・鳩槃荼等其の便りを得るなり」と。


 大集経に云はく「我が法の中に於いて闘諍言訟せん」等云々。


  法華経の第五(の巻)に云はく「悪世の中の比丘」。又云はく「或は阿蘭若に有り」等 云々。又云はく「悪鬼其の身に入る」等云々。


  文の心は第五の五百歳の時、悪鬼の身に入れる大僧等国中に充満せん。その時に智人一 人出現せん。彼の悪鬼の入れる大僧等、時の王臣・万民等を語らひて、悪口罵詈・杖木 瓦礫、流罪死罪に行はん時、釈迦・多宝・十方の諸仏、地涌の大菩薩等に仰せつけ、大 菩薩は梵・帝・日月・四天等に申しくだされ、其の時天変地夭盛んなるべし。


  国主等其のいさめを用ひずば、隣国にをほせつけて彼々の国々の悪王悪比丘等をせめらるるならば、前代未聞の大闘諍一閻浮提に起こるべし。


「先回の会合では、聖人の曼荼羅が特級だということについて確たる返事がもらえませんでしたが」


ーー聖人の曼荼羅には、人を呪う呪禁が入っている呪物だという認識しかない人がいる。まあそんな人は呪物ではなく、呪仏だというでしょう。日蓮曼荼羅は法曼荼羅・法本尊であるという真実を理解していないと、浅はかな先入観のままで終わってしまうのです。そんな人に対する一面的な回答をしただけです。


 ところで、親鸞には「南无阿弥陀仏」という名号本尊があるのをご存じですか。无は無の古字です。阿弥陀仏という仏名だけ書かれているから、単なる人本尊です。十字架上のイエス像と同じです。法が具わっていない。つまり名号本尊には、時間と空間を超える法力がないのです。だからいくら南无阿弥陀仏と称えても、阿弥陀仏の安養浄土(極楽浄土)に往生できないのです。阿弥陀仏の世界に往生できたというのは、あくまで法を体現したお釈迦さんーーというよりも釈迦如来ーーの保障があったからです。ここ人間の娑婆世界では、お釈迦さん以外の仏が法を説くことはありません。その資格があるのは、あくまで娑婆世界の教主である釈迦如来のみです。先回でも言いましたが、これは重要な問題ですから、一重立ち入って答えましょう。


  親鸞の弟子唯円の回想録『歎異抄』に興味深い記述があります。第二条です。全文を挙げましょう。


  おのおの十四箇国のさかひをこえて、身命をかへりみずして、たずねきたらしめたまふ御こころざし、ひとへに往生極楽のみちを問ひきかんがためなり。しかるに念仏よりほかに往生のみちをも存知し、また法文等をもしりたるらんと、こころにくくおぼしめしておはしましてはんべらんは、おほきなるあやまりなり。もししからば、南都北嶺にもゆゆしき学生たちおほく座せられて候ふなれば、かのひとにもあいたてまつりて、往生の要よくよくきかるべきなり。親鸞におきては、ただ念仏して、弥陀にたすけられまいらすべしと、よきひと(法然)の仰せをかぶりて、信ずるほかに別の子細なきなり。念仏は、まことに浄土に生まるるたねにてやはんべらん、また地獄におつる業にてやはんべるらん、総じてもつて存知せざるなり。たとえ法然聖人にすかされまいらせて、念仏して地獄におちたりとも、さらに後悔すべからず候ふ。その故は、自余の行もはげみて、仏に成るべかりける身が、念仏を申して地獄にもおちて候はばこそ、すかされたてまつりてといふ後悔も候はめ。いずれの行もおよびがたき身なれば、とても地獄は一定すみかぞかし。弥陀の本願まことにおはしまさば、釈尊の説教虚言なるべからず。仏説まことにおはしまさば、善導の御釈虚言したまふべからず。善導の御釈まことならば、法然の仰せそらごとならんや。親鸞が申すむね、またもってむなしかるべからず候ふか。詮ずるところ、愚身の信心におきてはかくのごとし。このうへは、念仏をとりて信じたてまつらんとも、またすてんとも、面々の御はからひなりと云々。


 親鸞は晩年に京で著述に専念していました。理由は先回でも言いましたが、布教するにしたがって善導や法然の教えだけでは、念仏を一般に浸透させる根拠に乏しいと気が付いたからです。そこで『教行信証』などの執筆に励んでいたところ、多数の信徒がはるばる東国から数多の国境を越え過ぎて来訪してきたわけです。相当な苦労があったと思われますが、どうしても晴らしたい疑問があったからに他なりません。詰まるところ、念仏以外に往生できる道を知っているか、またその法が説かれたものを知っているのではないかと、親鸞に問いただしたわけです。それについて親鸞の回答が始まります。


  あなた方のその考えは大いなる誤りです。それなら京都奈良の大寺院にも優れた学問僧が多数居られるから、その人々にお会いして、浄土往生の肝要な法門をよくよく聴かれたらよろしいでしょう。


 私親鸞は、ただ念仏して、弥陀仏に助けられて往生させていただくべきであると法然上人の仰せを受けて信ずるだけであって、他の理由などありません。念仏は本当に浄土に生まれる大本なのか、また地獄に堕ちる行になるのか、全く知るところではないのです。たとえ法然聖人に騙され、念仏して地獄に堕ちるようなことがあっても、後悔などありません。


 なぜなら他の修行にも励んで仏になるこの身が、念仏を称えて地獄に堕ちたというなら、騙されたという後悔もあるでしょう。しかしどんな修行も全うできないこの身だからこそ、地獄はすみかにふさわしいのです。


  阿弥陀仏の本願が真実なら、それを解き明かしてくださった釈尊の教えが空言のはずがありません。釈尊の教えが真実ならば、善導の解釈は嘘ではありません。善導の教えが真実ならば、法然上人の仰せはどうして嘘偽りになるのでしょうか。それならば親鸞の申し上げることは、戯言ですますことはできないと思いませんか。有り体に言えば、浅はかなこの身の信仰はこのようなものです。この上は念仏の信仰を崇め奉ろうとも、また捨てようとも、皆さん方一人一人のお考えにお任せします。


    つづく



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本名:髙倉良一(たかくらりょういち)
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自己紹介:
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大学と各種の専門学校で、法律学、哲学、社会学、家族社会学、家族福祉論、初等社会、公民授業研究、論理的思考などの科目を担当しています。
KJ法、マインド・マップ、ロールプレイングなどの技法を取り入れ、映画なども教材として活用しながら、学生と教員が相互に学び合うという参画型の授業を実践しています。現在の研究テーマの中心は、法教育です。
私は命ある限り、人間を不幸にする悪と闘い抜く覚悟です。111歳までは、仕事をしようと決意しています。
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