シナリオ「三つ子の魂百まで-三歳児から学ぼう日本国憲法を-」のつづきをご紹介致します。このシナリオは、2021年度のさぬき映画祭シナリオコンクールに応募した作品です。
21 香川大学・5号館・社会科研究室
希望、早苗、賢治、洋平が座っている。暖簾を開きながら、島津と二人の子どもを連れた女性村上純子(35)が入って来る。
洋平「どうしたんですか?教授」
島津は、学生達にアンケート用紙を渡しながら、ニッコリと笑う。
島津「皆、良く頑張ったね。アンケート用紙に目を通しけど、とても楽しかったので、来年も参加したいと記されたものが数枚あったよ」
賢治「来年は、次の二年生が担当するのでしょう」
島津「そうだよ。忙しいだろうけれど、後輩達に協力して欲しいね。ところで、君達に頼みたいことがあるからと、村上さんという方が会場で声を掛けて来られたんだ」
村上「(ニッコリしながら)子ども達が、とても楽しかったと。直接、皆さんにお礼が言いたいと」
子供達が目を輝かせながら、「ありがとう」と述べる。
村上「皆さんにお願いしたいことがあります。」
早苗「どんなことですか?私達でお役に立てれば」
村上「子供達と一緒に学び合える日本国憲法のガイド・ブックを作って頂けないでしょうか?親子で読むことができる本があれば」
希望「ガイド・ブックですか」
村上「そうです。小さな子ども達と楽しみながら読むことができる本があれば。憲法に関連する施設や映画なども一冊にまとめたガイド・ブックのような物であれば」
島津「旅行に行く時には、観光ガイドの本を見ながら考えるだろう。家族でワイワイ言いながら、憲法のことを話し合える手引きのような本があれば便利だよ。」
賢治「希望さん、任せるよ。俺は忙しいからね」
早苗「希望ちゃんがシナリオを執筆できたのは、賢治君が発見した絵本のおかげじゃない」
洋平「賢治さんと俺は、それぞれ黒マントと憲法君の段ボール箱姿で、表紙を飾りましょう」
島津「村上さんのお願いは素晴らしいよ。私の書いた憲法大学習運動に関する論文を下敷きにすればいいよ。私も一緒に取り組むよ」
早苗「希望ちゃん、一緒にやろうよ」
希望「分かりました。ガイド・ブック作りに挑戦します。皆で力を合わせてね」
子ども達が歓声を上げる。
完
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大学と各種の専門学校で、法律学、哲学、社会学、家族社会学、家族福祉論、初等社会、公民授業研究、論理的思考などの科目を担当しています。
KJ法、マインド・マップ、ロールプレイングなどの技法を取り入れ、映画なども教材として活用しながら、学生と教員が相互に学び合うという参画型の授業を実践しています。現在の研究テーマの中心は、法教育です。
私は命ある限り、人間を不幸にする悪と闘い抜く覚悟です。111歳までは、仕事をしようと決意しています。