シナリオ「三つ子の魂百まで-三歳児から学ぼう日本国憲法を-」のつづきをご紹介致します。このシナリオは、2021年度のさぬき映画祭シナリオコンクールに応募した作品です。
三つ子の魂百まで-三歳児から学ぼう日本国憲法を-
13 香川大学・法学部・又信戦歿学友慰霊之碑
島津と学生達が碑文の前に立っている。
島津「学徒出陣のことを知っていますか?」
早苗「知りませんでした」
希望「テレビで学徒出陣の映像を観た記憶はありますが、大学の構内に慰霊碑があるとは」
賢治「慰霊碑を前にすると、何となく実感が沸きますね」
希望「確かに」
島津「日本国憲法は、第二次世界大戦で亡くなった方々の墓標のようなものです」
早苗「そうですね。多くの方々の犠牲があったのですね」
島津「今、ここに居るのは、宇宙最大の奇跡です」
洋平「え?」
島津「138億年前に、今の宇宙が誕生して以来、何か一つでも欠けていたら、私達は出会うことはなかったでしょう」
希望「確かに、そうですが」
島津「憲法を学ぶと、宇宙最大の奇跡である人間の生命を大切にして生きて行こうと考えるようにをなるのではないでしょうか。憲法を学ぶと、人間が人間らしく生きることができる世界の構築を目指して行動しようと考えるようになるのではないでしょうか?」
14 教育学部・5号館・社会科研究室の部屋
希望がパソコンに向かっている。
劇を担当する学生たちが、次々に入ってくる。
希望「提案があるけれど」
早苗「どんなこと?」
希望「図書館や書店に行って、憲法の本を探してみない。憲法に関連する施設見学は無理だから」
洋平「教授が、香川大学教育学部の近くに高松市立図書館もあるから、子ども向けの本を調べられると言われていたね」
希望「本を手に取ってみたら、何かアイデアが生まれるかもしれないと思うの」
賢治「希望ちゃん、やる気になったんだ」
希望「そうよ。教授の宇宙最大の奇跡という言葉に触発されたの」
賢治「熱伝導の法則みたいだね。県立図書館だったらバイト先の近くだ。俺が行ってみるよ。どんなことを調べてみようか」
希望「ありがとう。日本国憲法に関する本で、読みやすい本を探してみて」
早苗「希望さん、二人で大学の図書館に行ってみよう」
15 香川大学図書館・2階
希望と早苗が憲法コーナー前に立っている。
早苗「憲法の本は沢山あるね。図書館で憲法の本を見たのは初めて」
希望「(手にした本をパラパラ捲りながら)全部、法学部の学生向けね。難しそうなものばっかり」
早苗「高松市立図書館に行こう。子ども向けの本を調べてみよう」
希望「小さな子どもを対象にした憲法の本はあるかな・・・」
つづく
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大学と各種の専門学校で、法律学、哲学、社会学、家族社会学、家族福祉論、初等社会、公民授業研究、論理的思考などの科目を担当しています。
KJ法、マインド・マップ、ロールプレイングなどの技法を取り入れ、映画なども教材として活用しながら、学生と教員が相互に学び合うという参画型の授業を実践しています。現在の研究テーマの中心は、法教育です。
私は命ある限り、人間を不幸にする悪と闘い抜く覚悟です。111歳までは、仕事をしようと決意しています。