一昨日から掲載しておりますシナリオ「三つ子の魂百まで-三歳児から学ぼう日本国憲法を-」のつづきをご紹介致します。このシナリオは、2021年度のさぬき映画祭シナリオコンクールに応募した作品です。
結果は落選でしたが、貴重な体験となりました。ご高覧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
三つ子の魂百まで-三歳児から学ぼう日本国憲法を-
3 香川大学・8号館・811教室
教室の黒板に「未来からの留学生・テーマは憲法」と書かれている。
島津一郎教授(60歳)が、黒板に「クイズ、紙芝居、劇」と書く。
学生達が、次々に入室して来る。
島津「グループ毎に着席して下さい」
早苗「希望ちゃん、代表だから一番前に」
希望「(溜息を付きながら)そうね」
島津「では、グループの代表者は決意発表を述べて下さい」
希望が立ち上がって、教壇に向かう。その時に、賢治が入室して来る。
島津「なぜ遅れた?」
賢治「すいません。寝坊しました」
島津「君はどこに住んでいるの?」
賢治「宮脇町です」
島津「大学のすぐ近くじゃないか。もう昼過ぎだよ。まぁいいか。遅れる時は、正々堂々と、慌てずに。交通事故に遭ったら大変だから」
決意発表を終えた学生達が席にもどる。島津が、黒板に今後のスケジュールを書く。島津が振り返って学生に尋ねる。
島津「何か、質問はありませんか?」
希望「(口を尖らせながら)なぜ、未来からの留学生で、社会科研究室は憲法をテーマにしなければならないのですか?未来からの留学生は三、四歳位の子どもから高校生まで来ます。とても難しいと思います」
島津「(にっこり笑いながら)質問というよりも意見だね。昨年から、憲法をテーマにしています。その理由は、君達の先輩である三年生に説明しているから、先輩に尋ねて」
4 香川大学・6号館・社会科研究室
希望、早苗、賢治、洋平が座っている。
希望「私たちの意見も聞かないで、テーマを決めるなんて」
洋平「でも、単位のこともあるからね。未来からの留学生は、演習科目の単位だよ」
早苗「クイズと紙芝居は楽だろうね」
希望「今から、教授に無理ですと言いに行こうよ」
賢治「俺バイトがあるからさ。後は任せるよ」
早苗「待って・・・」
賢治は、社会科研究室を出て行く。希望は溜息を付く。
つづく
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KJ法、マインド・マップ、ロールプレイングなどの技法を取り入れ、映画なども教材として活用しながら、学生と教員が相互に学び合うという参画型の授業を実践しています。現在の研究テーマの中心は、法教育です。
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