山本哲也創価学会副会長が、私から名誉を毀損されたと訴えた裁判に関する東京高等裁判所の判決の続きをご紹介させて頂きます。
事 実 及 び 理 由
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人の請求を棄却する。
3 被控訴人は,控訴人に対し,100万円及びこれに対する平成25年6月16日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。
(控訴人は,当審において,上記のとおり請求を減縮した。)
第2 事案の概要
1(1)被控訴人は,宗教法人創価学会(以下「創価学会」という。)の副会長であり,控訴人は,香川大学教育学部教授であり,創価学会の会員である。
(2) 控訴人は,平成23年2月,インターネット上に「白バラ通信 パンドラの箱」と題するブログ(以下「本件ブログ」という。)を開設し,公開しているところ,平成25年3月5日,本件ブログに,「創価学会池田カル卜一派とその裁判シリーズその84」と題して,控訴人を原告とし,和田公雄(以下「和田」という。)を被告とする別件の損害賠償請求事件(以下「別件事件」という。)の訴状(以下「別件訴状」という。)の文面を載せる記事を投稿した。本件ブログに掲載された別件訴状の文面には,原判決別紙文言目録1記載の文言(以下「本件文言1」という。)及び同文言目録2記載の文言(以下「本件文言2」という。)が含まれている。
(3)本件は,本訴において,被控訴人が,控訴人に対し,本件文言1及び本件文言2 (以下,本件文言1及び本件文言2を併せて「本件各文言」という。) について被控訴人の社会的評価を低下させるものであると主張して,人格権に基づき本件各文言の削除を求めるとともに,名誉毀損の不法行為による損害賠償請求権に基づき1100万円及びこれに対する不法行為日である平成 25年3月5日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求め,反訴において,控訴人が,被控訴人に対し,被控訴人による本訴の提起は,控訴人に対する嫌がらせと被控訴人自らの創価学会内部における地位回復を目的とするものであり,控訴人に対する不法行為に当たる旨を主張して,不法行為による損害賠償請求権に基づき1000万円及びこれに対する平成26年9月15日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるものである。
(4)原審は,被控訴人の控訴人に対する本訴請求を,本件各文言の削除並びに55万円及びこれに対する平成25年3月5日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で認容して,その余の請求を棄却し,控訴人の被控訴人に対する反訴請求を棄却した。
控訴人は,控訴し,当審において,反訴請求について,100万円及びこれに対する本訴の訴状送達の日の翌日である平成25年6月16日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める請求に減縮した。
2 当事者の主張は,次項に当審における控訴人の主張を付加し,以下のとおり 原判決を補正するほかは,原判決の「事実」中「第2当事者の主張」に記載のとおりであるから,これを引用する。
(原判決の補正)
(1) 原判決3頁4・5行目の「宗教法人創価学会(以下「創価学会」という。)」を「創価学会」と改める。
(2) 同3頁11・12行目の「「白バラ通信 パンドラの箱」と題するブログ (以下「本件ブログ」という。)」を「本件ブログ」と改める。 I
(3) 同3頁15行目の「和田」から同頁17行目の「という。」」までを「和田を被告とする別件事件における別件訴状」と改める。
(4) 同3頁18行目の「別紙」から同頁21行目の「という。」」までを「本件各文言」と改める。
3 当審における控訴人の主張
本件ブログは毎月更新されているので,本件各文言を含む本件ブログの各記 事に対する実際のアクセスはごく少数であり,被控訴人の損害額の評価においてはこの点を考慮すべきである。
また,控訴人は,原審判決後に,本件各摘示事実を含む本件ブログの各記事 を非公開としたのであり,現在の侵害行為や将来生ずべき侵害行為も存在しない。
つづく。
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大変遅くなりましたが、山本哲也創価学会副会長が、私から名誉を毀損されたと訴えた裁判に関する東京高等裁判所の判決をご紹介させて頂きます。
東京地方裁判所は、山本氏の主張を認め、私に55万円の損害賠償を命じる判決を下しました。
その結果、平成27年7月から、私の給与は差し押さえられました。香川大学で給料の差押えを受けた教授は、大学創設以来初めてとのことで、事務職員5名から事情聴取を受けました。
給与の差押えは、平成27年7月から平成28年1月までなされました。おそらく、創価学会の副会長から給料を差し押さえられた国立大学の教授は、私が初めてではないかと存じます。
山本哲也氏が名誉を毀損されたと主張している訴状には、池田大作創価学会名誉会長、原田稔創価学会会長、田村隆創価学会副会長らの氏名も記載されています。
ところが、不思議なことに、名誉を毀損されたと私を訴えたのは、山本哲也氏のみです。山本氏が問題としている訴状には、池田大作創価学会名誉会長らの氏名も記載されているにも関わらず、原告は山本氏のみです。
山本氏の訴訟代理人弁護士は、創価学会本部の顧問弁護士が6名も名前を連ねています。しかも、山本氏は、私に対して1千万円もの高額な損害賠償を請求しました。
山本氏の私に対する損害賠償請求訴訟は、いわゆるスラップ訴訟です。創価学会が、私を経済的に破綻させるとともに、大学に居られないようにするために仕組んだものではないかと存じます。
現在の私の主たる研究テーマは、法教育です。名誉棄損訴訟による差押え体験は、私にとっては貴重な研究資料となりました。その意味では、ありがたい限りです。
風の噂によれば、山本氏は副会長を解任され左遷されたとのことです。山本哲也氏の近況をご存知の方は、コメントかメールでお知らせ下さい。山本哲也氏が「勇気」を出されて、創価学会池田カルト一派の真実を明らかにされることを念願しています。
以下、東京高等裁判所の判決をご紹介致します。
記
平成27年12月2日判決言渡 同日原本領収
裁判所書記官 奥木英行
平成27年(ネ)第3661号損害賠償等本訴,
損害賠償反訴請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成25年(ヮ)第14052号,平成26年(ヮ)第24108号)
口頭弁論終結日 平成27年10月21日
判 決
住所 略
控訴人 髙倉良一
同訴訟代理人弁護士 生田暉雄
住所 略
被控訴人 山本哲也
同訴訟代理人弁護士 福島啓充
同 宮山雅行
同 井田吉則
同 石田廣行
同 長谷川伸城
同 宮山春城
主 文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
つづく。
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ご報告が大変遅くなりましたが、昨年12月2日(水)午後1時15分と同年12月17日(木)午後1時15分に、東京高等裁判所は、私が控訴していた裁判を棄却するとの判決を下しました。
前者は、山本哲也創価学会副会長が、私から名誉を毀損されたと訴えた裁判です。山本氏の主張を認め、私に55万円の損害賠償を命じた一審判決に対して、私が控訴していた裁判です。
ちなみに、一審判決の結果、私の給料は差し押さえられました。香川大学で給料の差押えを受けた教授は、大学創設以来初めてとのことで、事務職員5名から事情聴取を受けました。
後者は、池田大作創価学会名誉会長らに対する私の害賠償請求を認めなかった一審判決に対して、私が控訴していた裁判です。
これら二つの判決を読まれた私の訴訟代理人弁護士である生田暉雄先生が面白いことを言われました。
「髙倉さん、この判決は誰に向けて書いてあると思いますか。」
「創価学会本部に対してでしょう。創価学会に有利な判決ですから。」
「違います。」
「え!創価学会向けじゃないのですか?誰に向けて書いてあるのですか?」
「最高裁事務総局の人事局と民事局に向けてです。」
「それは、どういう意味ですか?」
「髙倉さんの訴えを棄却した東京高裁の裁判官達が、創価学会に関する裁判を自分たちはこのように処理したと、最高裁事務総局にアピールするためです。」
「なぜですか?」
「最高裁事務総局に気に入られて、自分たちは出世しようと考えているのです。自公連立政権が継続している間は、創価学会に対して不利な判決を下す裁判官は出世しません。」
生田先生のお話しを伺い、私は呆然としました。しかしながら、これらの判決に対して、私は、いずれも最高裁判所に上告することにしました。訴訟代理人は、生田暉雄先生にお願いしました。
なぜ、上告したのか。その理由は単純明快です。自公連立政権がいつまでも続くはずがありません。いや、続かせてはなりません。まさに、「驕る平家は久しからず」です。公明党が政権から追われ、創価学会池田カルト一派の真実の姿が明らかになれば、最高裁判所も一変するはずです。
最高裁判所が上告を棄却しても、私は再審請求をする予定です。私の裁判闘争は、まだ始まったばかりです。
唯一にして最大の私の弱点は、裁判費用です。かつて、生田先生から「髙倉さんは、給料の大半を裁判費用に充当することになるでしょう。」と言われたことがあります。
また、ある方から「2千万は掛かるのでは」と言われたことがあります。その時は、「まさか、そんなには掛からないでしょう。」と申し上げました。
しかしながら、私の認識は甘かったと感じています。裁判費用を捻出するために、文字通り四苦八苦しています。ご支援ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
なお、生田先生も私も、裁判闘争のみに終始するつもりは微塵もありません。創価学会池田カルト一派を生み出した日本の土壌を変えるべく、多彩な活動に取り組みます。
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これまで義捐金を振り込まれた皆様方には、心より厚く御礼申し上げます。皆様方からの義捐金の振り込み通知が届く度に、私は涙が込み上げて参ります。ありがたい限りです。
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陳述書 その13
訴状をブログに掲載したことを名誉棄損とすることは、裁判所が、言論の自由と表現の自由を侵害することを肯定することになります。
平成27年10月16日
住所 略
髙倉良一
ブログに訴状を掲載すること自体を名誉棄損とすることは、裁判所が、言論の自由と表現の自由を侵害することになると考えます。
周知のように、アメリカでは、「名誉棄損訴訟ならアクチュアル・マリス(現実の悪意=相手を故意に傷つけようとする憎悪が実際に形を伴って存在すること。)を立証しなくてはいけない。」(烏賀陽弘道『スラップ訴訟とは何か―裁判制度の悪用から言論の自由を守る』(現代人文社、2015年)144頁)とされています。「原告に『記事に、相手を傷つけようという憎悪に基づく意思が、形になって現れていることを証拠で証明しなければ、名誉棄損は成立しない。』という厳しい基準を課した』(烏賀陽弘道、同書151頁)のです。
私は、訴外和田公雄に対する訴状をブログに掲載することにより、山本哲也創価学会副会長の名誉を毀損しようと意図したのではありません。
もし、訴状の記載が名誉棄損と認定されるのであれば、訴状や判決を出版物に掲載することも名誉棄損と認定されることになると考えます。例えば、判例タイムズ等に判決を掲載することも許されないことになります。
かつては、これらの法律雑誌では、原告と被告の氏名は実名で表記されていました。最近は、判例タイムズ等では、原告と被告の氏名は仮名とされています。
しかし、判決などの前後の文脈を読めば、原告と被告の実名が特定されることは明らかです。
ブログで裁判の経過に関する記事を掲載することは、言論の自由と表現の自由を行使することに他ならないのです。
一審判決は、「本件各摘示事実を真実として理解するのではなく,創価学会の幹部らに対し批判的な立場をとる一方当事者としての立場から, 被告が主張する事実に過ぎないとの限度で理解するであろうことがうかがわれる。」と認めながらも、ブログの記事を名誉棄損と評価し、「本件各文言について削除請求を認めるものとする。」と判示したことは、私の基本的人権である表現の自由と言論の自由を侵害することになると考えます。
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陳述書 その12
-ブログの記事は一審判決後に非公開としました-
平成27年10月16日
住所 略
髙倉良一
一審判決では、請求原因(掲載差止め及び損害)について、「被告は,現在も,本件ブログ上において本件各文言の掲載を継続しており,かつ,これを削除する意思がない」と判示しています。
しかしながら、山本哲也創価学会副会長が名誉を毀損されたと主張するブログの記事「創価学会池田カルト一派との裁判シリーズその84」は、一審判決後に、私は「非公開」とする措置を講じました。
証拠として提出する「忍者ブログ 管理ページ・忍者ツールズ」の項目「状態」に、「創価学会池田カルト一派との裁判シリーズその84」に「非公開」と記載されていることから明白です。
その結果、本件ブログの一般読者は、この記事を閲覧することは不可能であり、「現に行われている侵害行為」も、「将来生ずべき侵害」も存在しないのです。
仮に、ブログに掲載された訴状によって、山本哲也創価学会副会長のの名誉が侵害されたとしても、一審判決後には名誉を毀損されるような状態が継続していないことは明らかなのです。
したがって、「本件各文言の掲載を継続しており,かつ,これを削除する意思がない」との認定の下に算定された損害額と弁護士費用は不当なものです。
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大学と各種の専門学校で、法律学、哲学、社会学、家族社会学、家族福祉論、初等社会、公民授業研究、論理的思考などの科目を担当しています。
KJ法、マインド・マップ、ロールプレイングなどの技法を取り入れ、映画なども教材として活用しながら、学生と教員が相互に学び合うという参画型の授業を実践しています。現在の研究テーマの中心は、法教育です。
私は命ある限り、人間を不幸にする悪と闘い抜く覚悟です。111歳までは、仕事をしようと決意しています。